最近、テレビなどでよく耳にする線維筋痛症について
当院の佐原俊作より、少し書かせていただきます。
線維筋痛症は全身の痛みを主訴とする病気です。
痛み以外の症状もたくさんあり、疲労感、不安感、しびれ、こわばりなどいろいろなものがみられます。
また、主訴である痛みは外見上変化がないので、
自分以外の人にはなかなか理解や共感されません。
とあるときには仮病だと学校や会社、家族の人から言われたりすることもあり、これもとてもつらいことになります。
テレビなどでは原因不明と言われていますが、
最近の研究では本来、私たちが持っている
「痛みを鎮めるシステム」や「痛みを伝えるシステム」が
正常に働かなくなっていることが明らかにされつつあります。
治療は確立されていないと言われていますが、
線維筋痛症学会では診療ガイドラインが作成されており、
有効な治療法が示されています。
ガイドラインは簡単に言えば病気の説明書のようなものになります。
ガイドラインでは治療としてお薬、運動、心理療法など様々なものが紹介されています。
当院が提供している治療である鍼治療も実はガイドラインで効果が期待できる治療とされています。
しかし、鍼治療だけでは大きな効果が期待できるわけでなく、
運動療法やお薬などいろいろな治療と組み合わせることで効果が期待できます。
佐原俊作は、明治国際医療大学大学院に所属していた時、
線維筋痛症の鍼治療外来での治療にも従事していました。
また、線維筋痛症学会でも線維筋痛症に対するセルフケアについて研究発表しています。
最後になりますが、普段何気なく抱えている、痛みなどを長年放置したり、我慢したりすることで慢性痛という状態になってしまいます。
そうなると、脳の痛みをコントロールするシステムが正常に働かなくなってしまうことがありますので早期に対処していくことが大切です。痛いときやつらいときは我慢する必要はありません。
”痛みや鍼治療のことでお困りのことがあれば何でもご相談ください”